10/05/23 14:28:34 0
(>>1のつづき)
◇「理念は?」省内に不満
長妻氏が公約にこだわるのは、政治家としてのけじめばかりではない。企業・団体献金を一切
受けないスタイルは、潔癖さの半面、国民の支持頼みというもろさも抱える。それだから世論を
気にし過ぎ、何をしたいのか理念が見えない--。長妻氏を見つめてきた厚労官僚の多くは
そうとらえている。
4月27日夜。内閣府で開かれた「子ども・子育て新システム検討会議」の初会合は、議論の
大半が厚労省関係だった。なのに長妻氏は役所がおぜん立てしたメモすら読まず、沈黙を守った。
福島少子化担当相が発言を促したものの、発したのは一言、「ありません」。
「アドリブがきかないからな。他の閣僚と応酬になるのが嫌だったんだろ」。厚労省幹部はそう推し量る。
長妻氏は年金記録問題で名をはせた。ただ、厚労行政の手腕には当初から「未知数」の評がつきまとう。
「子どもの昼寝に敷布団が必要か? 床に直接寝かせればいい」。長妻氏は担当部局と保育所の
設置基準面積の緩和を議論した際、そう言い切ったという。子どもを床に雑魚寝させれば1人当たりの
基準面積を小さくでき、その分保育所を増やすことができるとの趣旨だった。出席した幹部はみな、
あっけにとられた。
老人施設で食事介助を体験した時のこと。「おばあさんは、おかゆが好きなんですか」。
そう問いかけた長妻氏に、女性は「歯がないからね。おかゆしか食べられないのよ」と諭す
ように答えた。
◇「素人」武器に改革
「就任直後は30分おきにびっくりした。私ら普通の感覚とは違う」
4月24日夜、地元の東京都渋谷区で開いた国政報告会で、長妻氏は約200人の聴衆に語りかけた。
厚労省に省や局、課ごとの目標がないことを紹介し、「目標のない会社って聞いたことありますか」と
あきれてみせた。
長妻氏を「素人同然」と嘆く「プロ」の官僚たちだが、感覚が世論とズレている面があるのも事実だ。
それは旧社会保険庁の不祥事や、薬害肝炎を引き起こす一因となった。それも現場を知らないからと
考える長妻氏は、職員に自治体などへ足を運ぶよう命じている。(>>3-10につづく)