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この国にカジノがないのが不思議なくらい日本人は賭け事が好きである。
どんな田舎に行っても派手なパチンコ屋があり、平日の昼間からにぎわっている。
競馬場には毎週何万人もの善男善女が訪れ、来週の日本ダービーでは
何百億円もの馬券が売れる。
自転車、ボート、オートバイとギャンブルの種は尽きないが、
歴史と伝統で江戸時代の富籤(くじ)を祖先に持つ宝くじの右に出るものはない。
貧乏人にとっては、わずかな元手で一獲千金の夢が見られ、興行元にとっては
のごとくカネが転がり込むとあって関西から瞬く間に江戸に流行が広がり、
寛永年間には禁令が出ている。
8代将軍吉宗の時代になると、寺社の修復資金調達に限って公認され、
湯島天神、目黒不動、谷中の感応寺が「江戸の三富」と呼ばれた。
その後も庶民の娯楽として大いにはやったが、天保年間に
老中・水野忠邦が全面禁止してしまう。
まじめな彼にしてみれば、働かずして多額のカネがもらえる富籤が気に入らず、
しかも幕府財政にもよくないと考えたのだろう。現代の仕分け人たちも水野忠邦を見習ってか、
宝くじの収益金の流れが不透明だとして当面、販売を中止するよう総務大臣に要求した。
確かに1兆円にものぼる宝くじの売上金の流れに不透明な部分はある。
総務省OBの天下り役員に2千万円前後の給与が払われているのも問題だ。
だからといって「販売停止」とは大人げない。
問題なのは、仕分け人の国会議員が「弱い結論を出せば、傍聴者の反発は
強かっただろう」とついもらしたことだ。観客受けだけをねらって結論を出されては、
宝くじ売り場のおばちゃんたちも黙っていないだろう。
夏の参院選では民主党が仕分けされる番である。
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【事業仕分け】「夢が…」宝くじ販売停止判定でファン悲しむ★5
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