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口蹄疫は国際標準の対策が効果をあげない異例の事態
宮崎県で口蹄疫の感染が拡大を続ける中、今回日本で発生した口蹄疫は、国際機関の
指針に則った対応を適切に実施しているにもかかわらず、感染の拡大が食い止められて
いないことが、獣医微生物学の専門家の指摘で明らかになった。
東京大学大学院農学生命科学研究科の明石博臣教授は、今回宮崎で発生した口蹄疫に
対する対策は、家畜の国際的な安全基準OIE(国際獣疫機関)が定める指針を基に農水省が
定めた「特定家畜伝染病防疫指針」に基づいて適正に行われており、過去の発生事例からの
知見が凝縮されているその指針が、現時点での最善の対策であると考えられると言う。
しかし明石教授は、それにもかかわらず感染拡大が止まらない異例の事態となっているとの
見方を示した。感染拡大が止まらないことを受けて、政府の初動の遅れなどを批判する声も
あがっている。だが明石氏は、現時点で口蹄疫については上記の基準以上の方策は考えにく
いとし、「農水省はじめ宮崎県も防疫指針で定められた作業を重ねているが、不幸なことに
感染が止まらないのが現状だ」と語り、これをいたずらに政治問題化することには否定的な
見方を示した。