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獣医師は振り返る。「教科書通りの口蹄疫とは異なる初期症状。まったく
想定しなかったわけではないが、この症状からは診断できなかった。」
URLリンク(www.asahi.com)
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1.
宮崎県都農(つの)町。3月下旬、ある農場で水牛が下痢になった。
往診した獣医師は、31日に県の宮崎家畜保健衛生所に届け出た。
県も立ち入り検査したが、口蹄疫にみられる口の中や蹄(ひづめ)
の水疱(すいほう)、よだれがない。便なども検査したが、下痢の原因
となる菌やウイルスが見つからず、結論が出ないまま下痢は治まった。
2.
「口の中に軽い潰瘍(かいよう)のある牛がいる」。4月9日、衛生所
に別の獣医師から連絡があった。2日前に往診したところ、1頭の牛が
前夜から発熱し食欲がなく、口からわずかによだれがあったのだという。
県の口蹄疫防疫マニュアルでは「(口の中の)水疱は発病後6~8時間
以内に現れ、通常24時間以内に破裂する」と記載されている。
9日の往診で、口の中に直径3ミリほどの潰瘍は見つかった。しかし
水疱ではなく、かさぶたのような状態。すでに発熱から4日がたつ。
仮に口蹄疫なら、水疱や激しいよだれが見られるはずだ。
獣医師から相談を受けた衛生所は農場内のすべての牛を調べたが、
口蹄疫の可能性は低いと判断した。発熱は1日でおさまっていた。
3.
4月16日夕、別の2頭に同じような症状が見つかった。
この段階で最初の牛はほぼ完治していた。翌日、衛生所が改めて立ち入り
検査し、感染症の鑑定を行ったが、19日までに出た結果は陰性だった。
ただ衛生所は19日、念のために検体を国の動物衛生研究所(動衛研)
海外病研究施設(東京都小平市)に送った。このとき初めて、県は国と
連絡を取った。20日早朝、口蹄疫の陽性反応が出た。
殺処分累計グラフ(4/20~5/14)
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