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★【風を読む】論説副委員長・高畑昭男 予想できた支持率急降下
・鳩山由紀夫内閣の支持率が20%を切った(時事通信)と伝えられたのは14日だった。
各メディアの数字でみると、政権運営に関して「危険水域」とされる3割台を切ったのが
4月だ。3月に4割を切り、50%台を割って支持・不支持が逆転し始めたのは2月だった。
ここ数カ月間に、毎月10ポイントもの割合で急降下している。
政権発足時(昨年9月)の7割と比べると、8カ月で50ポイントも失った政権は過去に例が
なく、ワースト記録だそうだ。そのすさまじさには驚くが、普天間移設や政治とカネの問題
などでの民主党と鳩山政権の迷走と不誠実な対応ぶりをみれば、当然としかいいようがない。
首相と党幹事長の双発エンジンが停止して、まっしぐらに墜落していく飛行機のようだ。
だが、鳩山氏らの政策や言動を冷静に観察すれば、こうなることは昨年の総選挙前にかなり
予想できたはずだった。
それなのに、「民主党にやらせてみたい」という甘い期待に踊った人々が多かった。それが
日本の不幸の始まりだったのではないか。
問題は政治の失速が与党だけでなく、国民全体の利益を日々道づれにしつつあることだ。
外交・安全保障はもちろん、景気、財政、環境などの面でも日本が世界からどんどん
取り残されていくように見える。
民主党に肩入れし、平衡感覚を欠くようにみえた一部メディアや学識者らも含めて、やっと
現実を直視する必要に目覚めたのかもしれない。それでも民主党内、とくに若手の層から
自浄、反省、是正の声が噴出してこないのは実に不思議だ。
人ごとだと考えているのか、自分は執行部でないからとでも思っているのかはわからない。
公約違反など身内の問題を正せずに、日本の政治を変えることができるのか。有権者も
その点を見ていると思う。
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