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・嫁不足-。東北の農家にとって深刻な問題を逆手にとるように、中年の独身男性を狙った
悪質な結婚詐欺が横行している。
宮城県北部の田園地帯。代々続く農家の跡を継いだ中年の男性が韓国人の女と知り合ったのは
昨年のことだ。結婚仲介業者を名乗る男が自宅を訪れ、唐突に「この女性と交際して
みませんか」と提案してきた。
男の背後には、伏し目がちに立つ若い女。男は「1週間暮らしてみてください。きっと気に
入りますよ」とたたみかける。男性は不審に思いながらも、「断ってはかわいそう」と
受け入れてしまった。
しばらくして、男性は結婚を前提とした交際を決意。業者には、預金を切り崩して用意した
「結納金」約300万円を支払った。家族からは猛反対されたが、「これまで女性との交際に
恵まれず、農家なので嫁の担い手も少ない。これが最後のチャンスだと思った」と押し切った。
ようやく手に入れたかに思えた伴侶。だが、その幸せは長くは続かない。業者に金を支払った
直後から、女が急に金をせがむようになった。
「親に会いに帰国したい」「母国で運転免許を取得したい」「実家に借金がある」…。
1回につき40~50万円の要求が何度か続き、さすがに預金が底を尽いて渡せなくなった。
すると、女の態度は急変した。これまで朝早く起きて草むしりを手伝うなど、熱心に働いて
いたことがうそのように、怠惰な生活を送るようになった。
そして、出会いから半年後のある日、「友人の結婚式があるから帰国する」と言い残して
出かけたまま、戻らなかった。買い与えたブランド品の指輪やネックレスも見当たらなかった。
被害男性は怒りをぶつけた。「女に未練はない。残された家族のためにも、何とか金だけは
返してくれ」
宮城県の被害対策弁護団によると、宮城、山形両県の男性から4月末までに約30件の
相談が寄せられ、被害額は1人につき300~320万円程度。相談者は40~60代で、
最も多いのが農家だった。(>>2-10につづく)
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