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(>>5の続き)
自国の安全を、かくも長きにわたって他国に依存し続けること自体、日本はまともな国ではない。
鳩山家も戦後日本社会も、米国依存を当然ととらえてきた。さらに悪いのは、米国に依存している
という意識さえ薄れさせ、米軍に基地を貸与してやっているのだから、あるいは「思いやり予算」
を払っているのだから、米軍が日本を守るのは当然だというような認識さえ持つに至ったことだ。
首相は『新憲法試案 尊厳ある日本を創る』(PHP研究所)の中で、憲法改正の必要性を指摘し、
こう書いている。
「戦後の憲法論議を迷走させてきた空想的平和主義あるいは国家主義的ノスタルジアなど、
左右両翼の感情論のいずれをも排し」「新たな憲法を創りたい」
だが、首相の一連の発言と行動こそ、空想的平和主義の産物に他ならない。
去る3月22日、首相は防衛大卒業式で、命を賭して職務を遂行することになる安全保障の中核者
としての若者たちにこう語った。
「諸君に私が言いたいことは、自らが活躍することになるこの世界のことを正しく知れ、という
ことである」
その言葉をそっくり、首相に献上したい。4月8日、東シナ海で中国海軍が日本の海自艦船に
異常接近したことを、なぜ、12日の日中首脳会談では、全く触れなかったのか。そのときの首相の
物言わぬ姿勢が、5月3日に海上保安庁の測量船が日本国の排他的経済水域内であるにもかかわらず、
中国の調査船に追尾された。初めて起きたこの異常事態をどう考えるのか。「東シナ海を友愛の海に」
と首相が語っても、世界を正しく見詰めるならば、現実はほど遠いことを、「正しく知れ」と
言わなければならない。
(続く)