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★【産経抄】柔ちゃん、五輪はあきらめなさい
・昇る朝日もいつかは沈む。平家物語を学校で習わなくても盛者は必衰すると、大方の日本人は
肌で感じている。ただし、ずば抜けた才能を持ち、努力を怠らず長くトップの座を維持している
人ほど自分は例外と信じたがるようだ。
▼もう34歳になった「ヤワラちゃん」こと、女子柔道の谷亮子選手の参院選への立候補表明は、
漫画そのものだった。子育てしながら平日は国会に通い、オリンピックで金メダルをとろうなんて
常人では考えもつかない。
▼先例はある。当選翌年、アトランタ五輪に自転車競技で出場した橋本聖子参院議員は、
「国会は仕事をしなくていいところなのか」と袋だたきにあった。「二足のわらじは両方の力に
なると信じていたのに、どちらの世界も傷つけた」と反省した橋本氏は、選手生活にピリオドを打ち、
議員活動と子育てを見事に両立させている。
▼家族は言いづらいだろうから小欄が代わりに言ってさしあげるが、ヤワラちゃん、国会を
目指すならロンドン五輪はあきらめなさい。そもそも柔道選手としてのピークはとっくに過ぎている。
▼2年前の4月、全日本柔道連盟が、北京五輪代表を決めると銘打った大会の決勝で、彼女は
山岸絵美選手に完敗した。にもかかわらず、全柔連は谷選手を代表に指名した。実より名を
取ったわけだが、案の定、本番では銅メダルが関の山だった。
▼何より情けないのは、「百万千万の味方を得た」と谷選手の横で破顔していた民主党の小沢一郎
幹事長をはじめとする政党人の面々だ。参院選では自民党など野党も元野球選手や歌手らを
大量に立候補させる予定だが、有権者をなめきっているのではないか。参議院は落ち目のタレントや
元スポーツ選手を再雇用する場ではないはずだ。
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