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水木しげる(小林よしのりの戦争論について)
五十年前、あの戦争の頃の話である。
その頃はなんでも勇ましいのが人気があり、
日本が戦争に勝つニュースばっかりだったから気持ちはよかった。
とにかく「大和魂」だとかなんとかいってやたらと勇ましい時代だった。
私はフト「戦争論」をみて長い間忘れていたあの時代を思いだした。
とにかく「大和民族」というのは勇ましい遺伝子を持っているので
「戦争論」とか「NOといえる日本」といった本が、よく売れるようだ。
なんとなくキモチがいいんだ。
「戦争論」で戦争が終わって長い時間を経て
戦前の勇ましいフンイキを味あわせてもらってとてもたのしかった。
その頃日本軍は強いといわれていた。
私はその秘密は「ビンタ」にあると長年思っていた。
毎日初年兵をなんの理由もなくなぐるのだ。
毎日なぐられる生活をしていれば、なんとなくザンコクなことをしたくなる。
私は特別よけいになぐられたせいかもう軍隊がいやになり、
日本陸軍ひいては日本までいやになってしまった。
戦後日本は対外的にも「ペコペコ国」になってしまったが
ビンタぎらいの私は…それでいいのだ!!といいたい。
勇ましさのためのどんな目に遭うのかと思うと
年のせいかそれでいいのだ。と思ってしまう。
私は「戦争論」でふとあの戦前の勇ましさを思いだし、非常になつかしがったが
なんだか輸送船に乗せられるような気持ちになったのは
「ビンタ恐怖症」のせいだろう。『戦争論』の売れゆきが気になる。
「戦争恐怖症」のせいかなんとなく胸さわぎがするのだ。きっと年のせいだろう。