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雁屋哲 (美味しんぼ日記)より
私は地方に行くたびに、地方ではいまだに徳川時代の藩の意識を
強く持っていることを知って驚く。
同じ県の中で、この地方は旧あれあれ藩、この地方は旧これこれ藩、
だから、同じ県の中でも、二つの地方の住民は角突き合わせていると言うのがある。
そう言う地方では、明治の廃藩置県以降、それまでの藩の領域を無視して、
新たに線引きをして県を作ったのが間違いの元だと本気で言う人が少なくない。
また、旧藩主の子孫をいまだに自分たちの主人と思って大事にしているところも多い。
藩主・大名の子孫も今は平凡なサラリーマンになっていたりするのだが、
その地方へ戻ると、旧藩主扱いで大変だ。
旧藩主の子孫と言うだけで、その土地の人間に対して尊大な態度を取っても、
人々は当たり前だと思い、百年以上経っているのに旧藩主の子孫を崇めているのだ。
こう言うのが、日本人の心の底に深く染みついた卑屈な拝跪の感覚だ。
確立した自己を持っていないから、
どんなものであれ権威のある者の前に跪づいてそれを拝み、
長いものに巻かれて安心する。
今の地方の自民党の代議士は、昔で言えば選挙区が藩で、
選挙区の大名というわけだ。
選挙区の選挙民は大名に隷属することを誇りにする隷属マニアで、
何が何でも主家(代議士)に背いてはいけないと屈従する。
だから、当代の跡を息子が継げば文句なしに、その息子に投票するのだ。