10/05/04 09:44:49 z59/WwMF0
>>133
「知」の欺瞞 FASHIONABLE NONSENSE アラン・ソーカル/ジャン・ブリクモン
ポストモダン思想に於ける科学の濫用
どうしてこんなことになったのか?(引用)
われわれが批判しているような知的潮流は何故どの様にして生じてきたのか
1 経験的事実の無視
2 社会科学に於ける科学主義
(私見:この節で面白いのは、いよいよ明確にポストモダニズムが目標を見失った共産
主義、社会主義の末路である事を仄めかしている点である。「ストロング・プログラム」と
いう用語を本書で初めて知ったが、要は自然科学や数学を社会学、政治学に取り込ん
で、単に論理展開の為に利用するのではなく、科学を社会化する、政治化するという
異様な方針の事らしい。これだけでもこの「ストロング・プログラム」にはいかがわしさが
漂うのだが、その実例が本書で列挙され、批判されているのを読み、先ずこういった
悪質な詐術に騙されないよう警戒すべき事を知った。)
3 自然科学の威信
4 社会科学に於ける「自然な」相対主義
方法論的相対主義 → 極端な認識的相対主義
知識と単なる信念は別のものである
5 哲学や文学の伝統的な教育法
第一に、文学や哲学では原著者や原典を重視するが、科学ではそういうことはない。
第二の問題は、実験よりも理論が優位におかれている(これは、事実よりもテクスト
が優位にあることとも関係している)ことからくる。経験的な側面を同時に考えない限
りは、科学の論説は本当に単なる「神話」、「物語」等々に成り下がってしまう。
これこそが、全ての問題の源なのだ。