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★[愛知5人殺傷]長男、対人関係苦手なまま大人に
・愛知県豊川市の一家5人殺傷事件で、殺害された岩瀬一美さん(58)の長男、高之容疑者
(30)=殺人容疑などで逮捕=は十数年間引きこもりの状態にあった。
「インターネットの契約を解約されて腹が立った」。県警の調べにこう供述した高之容疑者に
とって、ネットとは何だったのか。
小学生の時から一度も感情を顔に出したことのない客がテレビを見て笑っている。昨年の暮れ。
理髪店の店主は内心驚きながら、いつも通り高之容疑者の髪を刈っていった。
年2~3回来ては無言で椅子に座る。終わると黙って帰り、後から母親が代金を払いに来る。
長年続いたこの流儀が1~2年前から変わり始め、自分で代金を払うようにもなっていた。
「社会に適応できるようになったかな」。だが惨劇はその数カ月後に起きた。
高之容疑者が92年から通った同市の中学校。当時の教師や同級生の高之容疑者に対する
印象は薄い。自分の意見を言えず感情を表さない。勉強も運動も得意でない。3年時の
同級生の女性(30)は、高之容疑者が同級生から教室でからかわれた時を覚えている。
言い返せない悔しさからか、声を出さずに泣いていた。
3年時に創部と同時に入ったのはコンピューター部。元部員によると、当時はインターネットの
普及前で、大半は単に他に入りたい部がない部員だった。部としての活動はなく、約40人が
放課後の週3回、パソコンに各自でプログラムを打ち込んでゲームを作ったり、文章を書いていた。
元部員の男性(30)の記憶には、パソコンに向かって黙々と手を動かす高之容疑者の
姿がある。「何かに没頭しやすいタイプだった」と振り返る。
親族によると、高之容疑者が自宅にこもり始めたのは96年ごろだ。進学せずに製菓会社に
勤めたが、対人関係が苦手で1年で辞めた。直後に自宅を訪ねた伯父が手を握って忠告した。
(>>2-10につづく)
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