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ソマリランド共和国の治安や銃コントロール 松本仁一著 「カラシニコフ」より抜粋 1/2
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驚いたのは、町のどこでも銃を見かけなかったことだ。 町の市場に銃が無い。
ホテルにも銃が無い。小型トラックの荷台に重機関銃をすえた、あの「テクニカル」もない。
町の中心に警察本部がある。ちょうど日勤・夜勤の交代時刻だった。
昼の勤務を終えた警官がそれぞれに銃を持ち、中庭に面した武器庫に行列している。
銃の返納のためだった。
警官は一人ずつ前に進み出て銃と弾倉を差し出す。
当直はボルトハンドルを引いて弾丸が入っていないことを確かめる。
銃と弾倉には白ペンキで番号が書いてあり、返納された銃と弾倉を同じ番号の銃架に置く。
名簿で警官名と銃番号を照合し、番号札を渡す。その間およそ2分。
朝は当直に番号札を渡し、自分の銃と弾倉を受け取る仕組みである。
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ハルゲイサの町では、モガディシオのような護衛団は必要なかった。
誘拐や銃撃を心配することなく、どこでも自由に歩けた。
市場の中の狭い通路は女性客でいっぱいだ。男ばかりのモガディシオの市場とは感じが違う。
治安が信頼されているためだろう。
市場の前の道路には、両替屋が店を出していた。
海外から送金された外貨を人々はここで両替している。
1ドルが7500ソマリランド・シリングと、モガディシオ同様、紙くずみたいな通貨だ。
モガディシオでは、両替屋はこれ見よがしにピストルを腰から下げていた。
しかしハルゲイサの両替屋は丸腰である。
「内戦時代は命がけだったがね」と、路上でのんびり札を数えていた。
町に銃がないというのはこういうことなのかと思う。
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