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・二十一日の党首討論で鳩山首相は、普天間問題で防戦に追われた。無理な論理を押し通したり、
根拠を示さずに決意だけ強調する場面も多く、「五月末決着」に絶望感が広がる中で精神的に
余裕をなくしつつある様子がかいま見えた。
冒頭、自民党の谷垣総裁が、米紙ワシントン・ポストが核サミットで首相を「最大の敗者」と酷評
したことに言及。首相は「確かに私は愚かな首相かもしれない」と、あっさり認めてしまった。
その上で、普天間問題に触れ「昨年十二月(現行計画通り)名護市辺野古に移転先を決めていれば、
日米関係が一見良くなったように見えたかもしれないが、数年間何も動かず、結局日米はおかしく
なったかもしれない」と指摘。新たな移転先を探す「愚直」な決断の正しさを強調した。
ただ、先の訪米で日米首脳の接触がわずか十分間にとどまるなど、着実に日米関係は悪化している。
それを棚に上げて、現行計画に従ったとしても日米関係は壊れていたというのは苦しい弁明だ。
また、谷垣氏が、徳之島は「腹案」に入るのかどうか単刀直入に尋ねると、首相は「申し上げれば
徳之島の皆さんや、そうでない場合、別の方々にも迷惑を与える」と明言を避けた。しかし、徳之島は
大規模反対集会が開かれるなど騒然としており、既に迷惑をかけている。
偽装献金事件でも、首相は実母から提供された多額の資金の使い道について、国会への
資料提出を拒否。減点を避けるためには、なりふり構っていられないという思いがにじんだ。
首相のこうした苦しい答弁ぶりは、焦りの裏返しであるのは間違いない。
首相は同日夜、「愚かな首相」を自認したことについて「沖縄県民のために尽くしたい
思いから出てきた言葉。愚直さを今こそ生かさなければならない時だ」と説明。しかし、ある
民主党議員は「(首相は)精神的にまいっている感じ。自分で『愚か者』と言っちゃおしまいだ」と
首をひねった。目の前で討論を見ていたある閣僚も「首相は様子がおかしかった。体が疲れて
いるんじゃないか。休ませてあげた方がいいのではないか」と述べた。(抜粋)
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