10/04/22 17:59:09 P BE:419168472-2BP(294)
■子育て、パート事務員、介護…「今しかない」
国際教養大は平成16年に開学。教員の大半は外国人で、授業は教養科目も含めてすべて英語。
地方大学ながら、留学と寮生活が必須など独自のスタイルで全国から学生が集まり、
近年は「就職率100%」の大学としても注目を集める。この春入学の一般入試の競争率は
出願時点で10倍を超えた。
もともと英語が好きだった白井さんは、高校卒業後、関西外国語大(大阪府枚方市)で学んだ。
しかし卒業とともに英語と離れ、結婚後は30代は2人の息子の子育て、40代は事務のパート、
50代は実母と義母の介護に力を尽くすなど、「普通の主婦」として過ごしてきた。
数年前に母親2人を看取って以降、「もう一度勉強したい。今しかない」という思いを募らせ、
昨秋ラジオ番組で国際教養大の存在を知った。「ここだと思った」という白井さんを、会社員の夫、
武司さん(63)も「やってみたら」と後押ししてくれた。
挑戦したのは、募集定員「若干名」の社会人選抜枠。試験は昨年11月に行われ、準備期間は
ほとんどなかったが、英語の小論文と面接をクリアした。白井さんは「学ぶ意欲が伝わったかな」と話す。
合格の喜びもつかの間、授業に備えて毎日のように図書館や英会話教室に通った。ところが、
親戚(しんせき)や友人は、国際教養大を知らない人がほとんど。「何で今?しかも秋田?」と驚かれ、
「説明するのに苦労した」と笑う。
今月1日、まだ雪が残るキャンパスで寮生活を始めた。40歳以上も年の離れた若者たちとの
共同生活に不安もあったが、明るい性格も手伝って、あっという間に「さっちゃん」という愛称で
慕われるようになった。昼は図書館で一緒に学び、夜は部屋でパーティーを楽しむ。「いい子ばかり。
勇気を出して来てよかった」
8日の入学式には、171人の新入生の中に、ショートヘアを明るく染めた若々しい白井さんの笑顔があった。
“保護者”として駆けつけた武司さんも「最後までしっかり頑張りや」とエールを送った。
白井さんは「まずは留学に行くための英語力をつけたい。卒業したら、こんな私でも受け入れてくれた
秋田に何か恩返しをしたい」と瞳を輝かせている。
URLリンク(www.iza.ne.jp)
依頼