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・10代の子供を持つ親の悩みに応えようと約20年前に設立された「中卒・中退の子どもをもつ親の
ネットワーク」に近年、20代から40代のひきこもりの子供を持つ老齢の親の参加が増えている。
親の年金に頼る高齢ひきこもりは、生活保護予備軍とも言われるが、学校などを通じて状況が把握
しやすい若年層と異なり、実態はあまり明らかになっていない。家族たちは途方に暮れている。
大阪市北区の公共施設。4月初旬、ひきこもりの子供を抱える親ら6人が集まった。「家では
ゲームばかり。反抗期のままずっといる感じ」。60代女性がそう打ち明けると、別の女性も
「うちもそう。12歳で時間が止まってしまった」。
会合は月に2回。当初は中卒や高校中退の人らの職を考える場として始まったが最近は、
20歳以上のひきこもりを持つ親が目立つ。
60代女性の30代長男は高校卒業後、通信会社の作業員として働くが「自分一人で昼ご飯を
食べるのが嫌」と、周囲とのコミュニケーションが取れなくなったことをきっかけに、次第にゲームに
夢中になり部屋にこもるようになった。
ひきこもり状態は8年。無気力で親が部屋に入っても怒ることはない。「将来どうするの」と尋ねても
「いつでも働きに行ける」と言うだけだ。
長年にわたって会員の悩みの聞き役を務めてきたネットワークの世話人代表(67)の家庭でも
40代の長男が昨年から突然ひきこもりになったという。
機械設備の検査員として約20年間働いたが景気悪化の影響もあって昨年3月に解雇。部屋に
入ったきり、外に出なくなった。長男を家から追い出して自立を促すことも考えているが
「一人暮らししても、餓死してしまうかも」と途方に暮れる。
大阪府が今年度からひきこもり支援ネットワークをつくるなど、支援策は広がりつつあるが、
対象者は学生が中心。高齢ひきこもりへの支援策はほとんどない。
代表は「中学生や高校生ならやり直せるが、20歳を超えると人格が固まってしまい、なかなか
抜け出すことはできない。先が見えなくて真っ暗闇だ」と話していた。(抜粋)
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