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「笑撃! これが小人プロレスだ」
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TVで中継していたこともあるのだが、そのうち、「身体障害者を笑いものにしている」、
「可哀相だ」とTV局に抗議が殺到するようになる。抗議を恐れたメディアは、次第に
小人プロレスを、「触れてはいけないタブー」として封印する。
もちろん、本人達の意志に反して障害を笑いものにしたならマズかろう。しかし、小人
プロレスのレスラー達は、もっと脚光を浴び、報道され、人気者になりたかったのである。
そんな彼らの本音を、著者のインタビューは次第に明らかにしてゆく。もちろん、社会に
認められず、差別を受け、コンプレックスを背負って育った彼らが、面と向って声高に
自らの主張を世間に問うことはない。彼らはただ当惑しながら、おずおずと自らの境遇を
嘆き、その運命を淡々と受け入れるだけである。
「障害を見世物にするな」という主張は一面では確かに正しい。しかし、声高なその声は、
肉体的にも鍛錬を積み、笑いを研究し、「観客に笑われるのではなく、観客を笑わせる」
ショーをしているのだと自負する小人レスラー達の興行を、表舞台から隠し、結局の
ところは彼らの生計の道をも絶つことに繋がってしまったのであった。
大部分の小人レスラーは、軟骨異栄養症であり、手足の骨の発育が極端に悪い。
関節にも負担がかかり、身体的ダメージが蓄積され、下半身不随などになる者も
多いのだという。多くのレスラーが既に死亡したり、障害をかかえて施設で暮らしている。
著者が最後まで追いかけた小人レスラー達の末路は、ある意味大変に気の毒なものばかり。
芸能界でかつて人気者だった白木みのるのインタビューも実に興味深いもの。小人プロレスが
放映から締め出された理由を、白木みのるは、「良識とはいうけど、本当は見たくない、エゴだよね、
差別なんだよね」と総括する。