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和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りし、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得した
米映画「ザ・コーヴ(入り江)」の自主上映会が30日夜、武蔵野市の武蔵野芸能劇場(中町1)で
開かれ、約150人が訪れた。申し込みのあったうち約120人は、会場の席数の関係で断ったという。
主催した写真家で映像作家の坂野正人さん(56)と元福生市議の遠藤洋一さん(62)が対談し、
立教大学が3月6日に予定していた上映会を、太地町と町漁協からの抗議を受けて中止したことを
問題視したと、上映会の企画意図を説明した。
環境保護団体製作の同映画は、太地町で古くから認められたイルカ漁の様子を米国人ダイバーが
入り江に設置した隠しカメラで撮影。漁師がイルカを追い込み、水族館ショーなどの調教用に若いメスは
生け捕りにするほか、食用のため、モリで突き、海がイルカの血で染まる場面が登場する。
撮影クルーと漁師らとの押し問答なども描かれ、「水銀を含んだイルカ肉は人体に有害」と主張。
水俣病患者の映像も織り込まれる。
昨年10月に東京国際映画祭で上映後、太地町・漁協関係者から、「漁民らの肖像権を侵害する恐れが
あり、内容にも事実誤認がある」との抗議を受け、映画配給会社は、漁師らの顔にぼかしを入れたり、
映画の最後に「イルカ肉から2000ppmの水銀値が検出されたとあるが、イルカ肉すべてが高い値で
あるとは限らない」などと字幕を入れたりして一般公開する予定という。
遠藤さんは「水俣病患者の映像は見方によってはアンフェアかもしれないが、製作者の意図とは別に、
我々がどう受け止めるかが大事。作品を見てから判断すべきだ」と話し、今後も自主上映会を開く意向を示した。
府中市から見に来たという伊原正俊さん(61)は「映画としては面白かったが、あまりに一方的なメッセージ
だったのは残念だ。漁師側の意見も出して欲しかった。色々な人が見たらいいと思う」と感想を述べた。
(2010年4月1日 読売新聞)
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