10/03/30 15:58:05 0
(>>1のつづき)
ここらできっちり訂正する努力はしておくべきでしょう。
1.平然とデマを流布する傲慢
まず基本的な歴史の問題として、「特別永住者の方々が最初は2世までという約束で基本的には
国籍を取っていないのに日本人に準じる権利を様々に与えられ」たという事実はない。これは
おそらく、「91年問題」をご都合主義的に曲解しているのであろう。
1965年に締結された日韓条約において、「協定三世」(実質的には在日4世以降にあたる)の
滞在地位は、協定発行後25年(1991年)までに協議を行うとだけ定められた。これは日韓両政府が、
戦後半世紀近くもたてば同化の進展により在日問題は《消失》している可能性があると期待
していたことによる。いわば、在日韓国人は日韓両政府から保護の責務を放棄されたわけで
あって、けっして、「2世までという約束で......日本人に準じる権利を様々に与えられ」たわけでは
ないのである。
その証拠に、日韓条約締結後も、在日コリアンに対するさまざまな差別は温存された。
1965年といえば、法務省の池上努氏が在日外国人を評して「権利はない」「追い出すことはできる」
「煮て食おうが焼いて食おうが自由」だと表現した年である。いくつかの例外的な措置を除けば、
外国籍者に基本的人権すらも認められていなかった時代の話だ。
2.歴史問題を矮小化する傲慢
宮台氏は「在日のなかで強制連行されてきた方というのはごく一部で、大半は一旗上げに
やってきた人達なんですよ」という。
なるほど、それは《ウソ》とは言い切れない。いわゆる強制連行で日本に渡ってきた在日一世の
男性は2割程度だと推定されている。逆に言えば、8割は出稼ぎだ。したがって、ミクロな次元では
「一旗上げに」海を渡ったケースも当然多かったろう。
だが、日本が朝鮮半島を植民地支配した36年の間に、朝鮮半島からは膨大な人口が半島外に
流出した。植民地支配のプロセスで、伝統的な社会秩序と経済基盤が崩壊したためである。
そうしたマクロな社会状況に言及することなく、ミクロな次元でのみ捉えようとするのは公正な
視点とはいえない。社会学では、マクロな社会状況の影響で生じた社会移動を「強制移動」と呼ぶ。
(>>3-10につづく)