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★ギョーザ事件―影落とす成長のゆがみ
(前略)とても一件落着と納得できるものではない。
拘束されたのは、ギョーザ製造元の「天洋食品」で臨時工員をしていた男性だ。中国
国営新華社通信によれば、給与と他の社員に対して不満があり、報復するため、毒物を
ギョーザに混入したという。
日中関係のなかで、日本側が東シナ海の開発問題と並ぶほどに重視してきたギョーザ
事件の捜査の節目にしては、ずいぶん簡単な報道ぶりだ。共産党中央機関紙の人民日報
は容疑者拘束の記事を掲載しなかった。
中国側が報道を抑制的にしているのは、外交問題にかかわるからだけでなく、事件そ
のものに社会のゆがみが色濃く反映しているからだろう。
中国では、低賃金で長時間労働させる企業に対して、農民など出稼ぎ労働者が怒りや
不満を直接ぶちまける例が後を絶たない。不当な扱いを法的に受け止める制度が整って
いないからだ。
天洋食品でも、多くの臨時工員が頻繁な賃金カットやリストラで不満をためていた。
ストライキも起きていた。
中国側は捜査内容を詳細に発表することが、暗部の公表につながり、社会の安定を損
ねると思っているのではないだろうか。しかし、ゆがみをただすには、都合の悪い、み
っともないことに向き合わなければなるまい。
(中略)
過酷な条件で労働者を使い、安価な商品を輸出して成長する。こんな中国の成長パタ
ーンは当然ひずみをはらむ。にもかかわらず、日本側は低価格に目を奪われ、安易に中
国食品を輸入してきたのではないか。また、食品の安全確保を中国側まかせにしすぎて
いなかったか。作り手の実情を見ないまま消費する危うさを、ギョーザ事件は教訓とし
て残した。
事件を受けて、日中間では閣僚級の枠組みとして「日中食品安全推進イニシアチブ」
に合意している。それを当局者が推進するのは当然だが、支えになるのは生産や販売、
消費にかかわる人々の相互信頼関係だ。
■ソース(朝日新聞)(略部分はソースで)
URLリンク(www.asahi.com)
※前(★1:03/28(日) 10:29:14):スレリンク(newsplus板)