10/03/27 14:09:07 3b3AB7op0
田母神論文を読んで感心するのは、最新の歴史的知見が盛り込まれている
ことである。
特に着目すべきは「VENONA」である。
このソ連の暗号解読文書が第二次世界大戦中のソ連スパイの暗躍を証明
するものとして極めて重要な地位を占めている事を知る者は未だ日本では
少数である。
然し、欧米に於ては「VENONA」は「エニグマ」と同等に重要な史料であり、
NSAのHPにて公開され、研究者によってF.D.ルーズベルト大統領の周囲に
コミンテルンやGRUなどのソ連シンパ、スパイが約300名蠢いていた事が
示されている。その300名の内、正体が割れた者はその半数足らずである。
そしてこの情報を一人、握りしめていた者が半世紀以上ものあいだFBI長官
の座を占め続け、合衆国大統領をも恐怖せしめたフーバー長官であり、
彼が死去した後、ビル・クリントン大統領になって1990年代に初めて公開
されたものである。
アメリカの出版物ではVENONAに依拠した記述が数多認められる。
日本の歴史学会はその事実を無視しているか、相当に遅れたものであり、
田母神論文がVENONAなどの新しい知見を盛り込んでいることは驚嘆に
値する。
ヴェノナ(VENONA) ジョン・アール・ヘインズ (著) 中西輝政 (翻訳),
URLリンク(www.amazon.co.jp)