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これまでの研究から、優れたゲームプレイヤーは、初心者と比べて認知能力に優れていることが
わかっている。さらに、初心者がゲームプレイの訓練を 20時間以上受けたとしても、その認知
能力は成長しないこともわかっている。これらのことから引き出される仮説は、ゲームの技術は訓練
できるものではなく、熟練者とそうでない者の間には生まれつきの差があるのではないかということだ。
最近の研究で、ヒトの脳の中にある3つの部位の大きさと、ビデオゲームを習得してプレイする能力
とには相関関係があることが分かった。
『Cerebral Cortex』誌に掲載され、同誌のウェブサイトで全文が公開されている神経学の論文によると、
この論文の著者たちは、動物実験をきっかけに、脳の奥深くにある3つの構造―尾状核と、新線条体
(背側線条体)の核と、腹側線条体にある側坐核に注目するようになった。これまでの研究で、線条体は
習慣の形成とスキルの習得に使われることが明らかになっているので、ビデオゲームのスキルに関係すると
いうのも納得できる。
研究チームは被験者として、過去2年間に週3時間未満しかゲームをしていない健康な成人39人(男性10人、
女性29人)を集めた。そして、磁気共鳴画像(MRI)装置を使って被験者らの脳を検査し、問題の3つの
部位の大きさを、脳全体の大きさと比較した。
被験者の半数には、できるだけ高得点を狙うという単純なタスクが与えられ、残る半数には、さまざま
な分野のスキルの向上につながるような一連のタスクが与えられた。どちらのグループでも、側坐核が
大きい被験者ほど、ゲームを早い段階で習得し、好成績を収めることが分かった。尾状核と新線条体の
核が大きい被験者は、「優先度変更トレーニング」で好成績を収めた。このトレーニングでは、時間帯
によって異なるタスクに集中せねばならない。
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