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(>>1のつづき)
「JICA研修所の部屋やトイレの使い方を説明する絵や説明文が分かりやすくて機能的だ」。
参加者唯一の女性、ナガ・ガヤトゥリさん(29)はそう語った。「日産の工場に行ったとき、
見送りで見えなくなるまで手を振ってくれた。こうした細やかな心遣いがモノづくりにつながるのでは。
インド人には数学が得意なDNAがあり、日本人にはモノづくりのDNAがあるようだ」とも。
VLFMのチーフアドバイザー、司馬正次筑波大名誉教授は「彼らが指摘するのは日本の
『規律の順守』『高い道徳心』『顧客第一の姿勢』などいずれも製造業の基本となる考え方」と指摘。
「モノづくりの文化の背景には、こうした精神が潜在的にあると考えたのではないか」と推測する。
日本を象徴する文化に、「日本の製造業の弱点が重なる」という声もあった。
「盆栽で印象的なのは大きな実も大きな葉もできないところ」と語るのは自主研究で盆栽と製造業の
さまざまな過程を比較したニティン・ガルグさん(33)だ。小さい鉢で日々成長する草木を観察し、
植え替えや剪定、整形など長い年月をかけ改良を続けていく過程などを専門家から聞いた
ガルグさんは「日本の製造業で用いられる『カイゼン』に似ている」と感じたという。そのうえで
こう指摘した。
「過去の過程に重点を置きすぎ、新しい物事に踏み出せないときがある日本の製造業に通じる
弱点もあるのではないか」
司馬教授は「歴史や過去の過程を大事にするなど、日本とインドは共通点が多い。彼らの
指摘で気づかされることも多い。こうした考察は日印関係にも好影響をもたらす」と話している。
(以上、一部略)