10/03/13 22:50:03 FsmA0MWB0
■鎌田慧著「自動車絶望工場」(トヨタ組み立て工場の現場体験記)より
絶望工場。ベテラン出稼ぎ農民の豊田さんは、こう言って笑った。
きのう入った見習い工は、出勤せず1日で遁走か。
「盆と正月の晩には泣き声が聴こてくる」
「あんな怖い工場には地元のもんはだれもいかんよ。死んでまう」
「トヨタで死んだり、ケガしたりする話は良く聞くけどそれでラインが止まったという話 はきかんな」
「一人、二人死んでも生産上がったほうが儲かるからな」
「班長、組長には、手がないのが多いな」
「両手の指を落としてしまって、顔も洗えんという人もおった。水が漏ってしまうでな」 「プレスですべって、アゴひっかけただ。そんで顔がペロッとなくなったのが
いたよ。型は血でいっぱいだったとよ」
「昼休みに、鍛造機を掃除しててよ、あとでスウィッチ入れたら、腕や指が出て来たのも あるよ。
一人行方不明になってしまって。でもニュースにはならん」
「期間工で湯の中に落ちたのがいたぞ。こんなに膨れて、もうパンパンだったよ。可哀想 にな」
昼休み時間、班長からディファレンシャルの工場で左手親指をつぶす事故が発生したとの 報告。
その後、何事も無く作業へ。