10/03/10 17:53:34 0
(>>1のつづき)
そして、さらに大きな問題が待ち受けることになる。98年12月17日、県教育委員会は文部省の
指導に従い、「入学式、卒業式の国旗掲揚・国歌斉唱を実施させるように」と県内各校長に
通達した。これに対し、広教組は部落解放同盟広島連合会とともに通達撤回を求める闘争を
始めたのだ。
この年、サッカーW杯フランス大会に日本代表が初出場を果たした。フランス各地で翻った
日の丸や君が代に多くの国民が胸を躍らせたことを振り返れば、教育界の“浮世離れした”
特殊性が浮き彫りになる。
翌年2月になると、解放同盟広島は各地区で校長を召集し、広教組と約100人にもおよぶ
「大衆団交」を行った。同月25日から27日にかけて数時間の職員会議が連日行われたが、
教職員らは断固反対のまま。板ばさみになった石川校長はついに自殺に追い込まれた。
7年後の2006年、石川校長の自殺が公務災害と認定された。高校の職員が誰一人として
焼香に来なかった異常な日々を経て、遺族の無念が晴らされた瞬間だった。
実は、広島県だけでなく、日教組の勢力が強い他県でも校長や教職者の自殺が頻繁に
起きている。現実から遊離した特異なイデオロギーにしがみつき、まるで中国の文化大革命の
ような粛清が教育界で行われてきたのか。昨年の事業仕分けの際、仙谷由人行革担当相
(現国家戦略担当相)が「政治の文化大革命だ」とつぶやいたことが思いだされる。
(ジャーナリスト・評論家 西村幸祐)
■にしむら・こうゆう 1952年、東京都生まれ。慶大在学中より第6次「三田文学」編集担当。
80年代後半からF1やスポーツをテーマに執筆活動を始め、その後、拉致問題や歴史認識にも
幅を広げる。現在「撃論ムック」編集長、「表現者」編集委員。著書に「反日の構造」「イチローと
村上春樹は、いつビートルズを聴いたのか」など。2月末、「メディア・パトロール・ジャパン」を
開設した。(以上)