10/03/08 10:06:56 0
★風知草:革命の堕落について=山田孝男
・古い「利益誘導政治」の一掃を約束して政権を握った民主党が、いつのまにか、自民党より
露骨な「利益誘導選挙」を繰り広げている。
長崎県知事選のさなか、現地入りした小沢一郎幹事長が民主党系候補への支援を訴えて
こう叫んだ。「××君を選んでいただければ、高速道路をつくることもできますっ」
同じく応援に入った石井一選対委員長が、自民系に投票したらロクなことにはならんゾ、と
すごんだ。正確には「政権はそれなりの姿勢を示す」と言ったのだが、立派な脅しだ。
一連の逸話で思い出すのがイギリスの作家、ジョージ・オーウェルの「動物農場」である。
ある日、家畜たちが一斉蜂起して農場主ジョーンズを追っ払った。農場は、動物の、動物による
動物のための農場になった。ところが、リーダー格の豚がしだいに力を握り、いつしかジョーンズに
代わる暴君にのし上がった--。
豚の言動をいぶかる他の動物たちが異を唱えるたびに、豚はこう説いた。「ジョーンズが戻って
きてもいいのか?」。この説得は「自民党と官僚の癒着時代へ逆戻りしていいのか?」という
民主党応援団の常とう句とよく似ている。
動物たちの間には「他の動物を殺すべからず」という盟約があった。納屋の壁に書いてあったが、
豚はいつのまにか、ペンキで「理由無しには」というフレーズを書き加え、もとの意味をゆがめた。
豚のこの立ち回りは政権半年の民主党の歩みを思わせる。民主党は衆院選の公約のうち、
ガソリン暫定税率廃止を撤回した。子ども手当の支給額を値切った。普天間飛行場の県外移設を
あいまいにした。
「動物農場」は旧ソ連のスターリン独裁体制に対する風刺である。スターリンは今でこそ独裁者だが
オーウェルがこの寓話を書いた第二次大戦の末期はドイツのヒトラーをやっつけた英雄だった。
(>>2-10につづく)
URLリンク(mainichi.jp)