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【ロンドン=大内佐紀】国家経済が破綻(はたん)状態にあるアイスランドで6日、英国とオランダへの債務
約50億ドル(約4500億円)を今後15年間で返済すると定めた法案への賛否を問う国民投票が行われ、
7日昼までの集計(開票率98%)で反対が93%と、圧倒的多数による否決が決まった。賛成はわずか1・8%だった。
政府は、英・オランダ両国と返済条件について再交渉を迫られ、アイスランドの国際信用の一層の低下は
避けられない情勢となった。国際通貨基金(IMF)などからの融資は凍結され、欧州連合(EU)加盟交渉にも
悪影響が出る見込みだ。
問題の債務は、経営破綻したアイスランドのランズバンキ銀行をネット経由で利用していた英・オランダ両国の
約40万人に対し、両国政府が預金者保護のため立て替え弁済した資金。アイスランド議会は昨年末、
15年間かけて両国に返済する法案を小差で可決したが、グリムソン大統領が「国民は納得していない」と
署名を拒否。憲法の規定により、法案への賛否を問う初の国民投票が実施された。
アイスランド国民の間では、「自分たちの預金が危ういのに、なぜ高利息を狙ってアイスランドの銀行を
利用した外国人だけを保護し、その費用負担までしなければならないのか」との不満が強く、
それが9割以上の法案反対につながった。
アイスランド外務省は6日深夜、「英・オランダ両国との返済条件見直し交渉を今後とも続ける。
合意が得られると確信している」とする声明を発表し、政府には債務返済の意思があることを示した。
だが、再交渉が早期妥結する見通しはなく、アイスランド経済の苦境はさらに深まることになりそうだ。
(2010年3月7日22時29分 読売新聞)
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