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今週の本棚・新刊:『ネットで暴走する医師たち』=鳥集徹・著
(WAVE出版・1575円)
URLリンク(mainichi.jp)
医療における紛争の当事者は、双方とも深く傷付くが、上塗りをするような事態、それも、ちょっと想像を絶する事態だ。
ネットのなかで、品性はおろか人間性まで消失したような、罵詈讒謗(ばりざんぼう)が、医師側から、
医事紛争の当事者に浴びせられている。それを丹念に検証したルポルタージュが本書だ。
無論、ネット上では匿名だから、そうした行為をしているのが、本当に医師なのか、それだけでは判(わか)らない。
しかし、著者は、様々な見地から、書き手が医師であることが明らかな例を拾い上げていく。
それらの対象は、問題を提起した患者の家族から、報道するメディアの記者にまで及ぶ。
極僅(ごくわず)かの人々だろう。しかし、暗黙に支持する雰囲気は拡(ひろ)がっている。
ネットという媒体の性格も含め闇は深い。(陽)
毎日新聞 2009年4月12日 東京朝刊