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【社会】捨てられた犬や猫、火葬施設まで運ぶトラック内で殺処分 徳島県と奈良市、苦肉の策
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徳島県と奈良市が、飼い主に捨てられた犬や猫を、火葬施設まで運ぶトラック内で殺処分している。犬や猫を集める
施設での殺処分が住民に受け入れてもらえないために考えついた苦肉の策だという。
徳島県神山町の山あいにある県動物愛護管理センターには、県内6カ所の保健所から捨て犬や捨て猫が集められる。
犬や猫は鎮静器(ちんせいき)と呼ばれる金属製の箱(縦横1.2メートル、奥行き1.5メートル)に入れられ、
8トントラックの荷台で運ばれる。運転席のボタンを押すと、鎮静器内に二酸化炭素が充満する仕組みだ。センターを
出て約1時間後、県西部の火葬施設に着く頃、犬や猫は動かなくなっている。
こうした処分を始めたのは、センターができた2003年。同県板野町にあった施設が手狭で老朽化したため、県が
神山町に施設を建てる際、住民と「センターで動物を殺さない。焼却しない」という約束になったからだという。県は
処分装置のメーカーと相談し、「走っているトラックの中なら処分場所を決めずにすむ」と移動式装置を取り入れる
ことにした。この方法で年間5千~1万匹を処分している。
センター設立当時の担当者は「各保健所の真ん中に位置し、広い土地が確保できたのは神山だけ。住民感情に配慮
するために考え抜いた結論だった」と明かす。センター職員の獣医師は「処分なんてしたくない。できるなら収容した
動物をすべて飼って、生かしてやりたい。でも、施設や金の問題で、そんなことはできないでしょう」と話す。
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