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・今回の選挙は、政権交代後、九州初の知事選であり、「政治とカネ」で民主党に逆風が吹く中で行われたことから、
参院選の行方を占う選挙として注目を集めた。だが、どんなに激しい選挙戦であっても、民主主義のルールに
基づいたものでなければならない。
残念ながら今回の選挙戦の過程で、1人の有力政治家に、そうしたルールを忘れた言動がみられた。民主主義の
根幹を揺るがしかねないその言動を見過ごすことは決してできない。
問題発言をしたのは、民主党選挙対策委員長の石井一参院議員。石井氏は1月の民主党推薦知事候補の
総決起集会で、同候補が落選したケースに言及し、「時代に逆行するような選択を長崎の方がされるのであれば、
民主党政権は長崎に対し、それなりの姿勢を示すべきだろうと私は思います」と述べ、「それが政治」と付け加えた。
本県有権者が民主党候補を知事に当選させなければ、政権党の力を使って県民全体に不利益を与えると脅した、
まぎれもない恫喝発言である。われわれは、断じてこれを許さない。
有権者には憲法で保障された投票の自由がある。政党が有権者に対して、特定候補に投票しなかった場合には
報復措置を取ると示唆して脅すのは、この権利を踏みにじる行為だ。民主主義を否定する暴言を吐いた石井氏の
政治家としての資質を問わねばなるまい。
民主党は知事選で、小沢幹事長が「(民主候補を知事に選べば)高速道路を造ることもできる」と述べるなど、大臣や
党幹部が露骨な利益誘導発言を連発した。それは、かつての自民党の利益誘導政治と何ら変わらないという点で、
国民の政権交代への期待を裏切るものだった。有権者への恫喝にまで発展すれば、これはもう、利益誘導とは
次元の異なる悪質な暴言と言うしかない。
価値観は多様で、支持する政党も、誰に投票するかも、人それぞれだ。それでも、われわれは選挙結果を粛々と
受け入れ、みんなで尊重していく。それが民主主義だ。これからも、1票を大切に行使しながら、この長崎の地で
民主主義を守り、より良い政治を実現すべく地道な努力を続ける決意である。それが、有権者恫喝発言を行った
石井氏に対する、われわれ長崎県民の答えだ。(抜粋)
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