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2010/2/24産経
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警視庁捜査怠慢訴訟 警察の責任認める 賠償は減額 東京高裁
東京都足立区で平成16年、小出亜紀子さん=当時(24)=が監禁され、殺害された事件で、
小出さんが殺害されたのは警視庁が捜査を怠ったためとして、両親が都などに損害賠償を求めた訴訟の
控訴審判決が24日、東京高裁であった。
柳田幸三裁判長は「必要な捜査をしていれば殺害を防ぐことができた」として、1審同様に捜査怠慢を認定。
賠償額については、両親側の請求通り2千万円の支払いを命じた1審東京地裁判決を変更、1千万円に減額した。
争点は1審に続き、
(1)捜査怠慢の有無
(2)死亡と捜査怠慢に因果関係があったかどうか
(3)警察に過失があった場合の賠償額の認定。
柳田裁判長は1審と同じく、「警察は小出さんが死亡した約2週間前には命の危険が迫っていたことを認識できた。
必要な捜査を行っていれば殺害を防げた」と述べ、捜査怠慢や死亡との因果関係を認めた。
一方、「小出さんは自ら現場アパートに行き、監禁される前に誰にも連絡先などを告げず、
立ち去ることもしなかった。落ち度があったと言わざるを得ない」として賠償額を減額した。
判決によると、小出さんは15年12月、元交際相手の本間直人受刑者(30)
=懲役13年の有罪判決が確定=らに都内のアパートに約1カ月間監禁され、暴行を繰り返し受けて16年1月に死亡。
小出さんの母親や友人が警視庁多摩中央署に捜査を依頼していたが、同署は事件性がないと判断、
捜査を行わなかった。
1審で都とともに賠償を命じられた本間受刑者らは控訴しなかったため、判決が確定している。
両親側の代理人は判決後の会見で、1、2審続けて警察の責任を認めたことを評価。
一方、減額について「残念であり不当。被害者の落ち度が安易に認められる傾向がある。
捜査怠慢と並べられる問題ではない」と批判した。
警視庁の吉田宏彦訟務課長は「判決を重く受け止めている。今後の対応は判決内容を精査した上で決める」とコメントした。