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政権交代後、事実上の与野党対決となった長崎県知事選が２１日投開票され、
自民、公明両党支援の前副知事中村法道氏（５９）が、民主、社民、国民新各
党が推薦した元農水官僚橋本剛氏（４０）ら６人を破り初当選した。自民は小
泉進次郎衆院議員（２８）を２５回街頭に立たせるなどで逃げ切った。民主で
は小沢一郎幹事長（６７）の政治資金問題が影響したとして進退論が再燃する
可能性がある。
新人７人が立候補したが、政権交代後、事実上の与野党対決となった初の大型
知事選で自民党が勝利した。接戦が伝えられただけに、当確を受け事務所に現
れた中村氏には「よくやった」と声が上がった。中村氏は「県民の声に真剣に
耳を傾け、公平、公正な県政の実現に取り組みたい」と笑顔をみせた。
負ければ自民の退潮傾向が一段と強まる中、２月３、１８、１９日の３回長崎
に入り、２５回の街頭演説で支持を訴えた進次郎氏の効果は大きかった。終盤
２日間は、執行部の指示で泊まりがけ。「最終兵器」（自民関係者）の起用は、
中村氏の逃げ切りにつながった。党の浮揚を左右する任務を任された進次郎氏
は「民主党の国会審議に対する怒りをぶつけたい」と、声をからしながら激し
い政権批判を展開した。「政治とカネ」で敵失が続いても支持率が低迷する自
民党にとって、中央政治でも民主優位の潮目を変える勝利になる可能性もある。
一方で、谷垣禎一総裁は応援に入っておらず、人気ルーキーに頼らざるを得な
かった悲しい現実も浮き彫りになった。
民主党は衆院選で県内４選挙区の議席を独占したのに敗北。２区で自民の大物
久間章生元防衛相に勝った福田衣里子議員（２９）も走り回ったが、エリー効
果は出なかった。鳩山首相や小沢幹事長の政治資金問題で内閣支持率が急落す
る中、「政治とカネ」で足踏みを続ける民主党に有権者からＮＯの審判が下っ
た。投票率は前回を７・８１ポイント上回る６０・０８％で関心の高さを示した。
民主内には「普通にやれば勝てる」（幹部）の声もあったが、夏の参院選を前
に「現体制で勝てるのか」（若手議員）と、不安が拡大。小沢氏の進退問題が
再燃する可能性もある手痛い敗北となった。
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