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出産育児一時金を医療機関に直接振り込む新制度が09年10月に導入された影響で、産科診療所の
約2割が経営破綻(はたん)を懸念していることが、日本産婦人科医会の調査で分かった。手続き上、
入金が従来より最長2カ月遅れることで、資金繰りが悪化したのが主な原因。厚生労働省は準備が間に
合わない医療機関に3月末まで半年間の導入猶予を認めている。
健康保険から支払われる出産育児一時金は09年10月の緊急少子化対策で38万円から42万円に
増額されたことに合わせ、母親ではなく医療機関への直接払いに変わった。母親側は退院時に多額の
現金を用意する必要がなくなり、医療機関側にも費用の未収がなくなるメリットがある。しかし請求は
月1回で振り込みが翌月のため、医療機関への入金は出産の1~2カ月後になる。
医会が12月、分娩(ぶんべん)を扱う約2800の全医療機関に実施したアンケート(回収率63%)
では、新制度に移行済みの施設は、病院が95%、診療所が80%。18%の施設で未収が減るなど一定
の成果があった一方で、69%が経営へのマイナス影響を指摘した。特に診療所は、21%が「新たに
借金しないと経営困難に陥る可能性がある」と回答し、約半数が制度の改善や廃止を求めていた。
資金繰り悪化に対応するため、厚労省所管の独立行政法人「福祉医療機構」は3000万円まで無担保
の低金利融資を始めたが、診療所では相談があった244施設中、半数以下の111施設しか融資が
決まっていない。医療機関からは「院長が高齢だったり、債務がある施設は、貸し渋りに遭っている」
との不満も出ている。
一方、開業医で作る「産科中小施設研究会」の医師ら約40人は、新制度が医療機関への財産権侵害
などに当たるとして、厚労省を相手取った訴訟を準備中。東京都江戸川区の診療所院長は「制度移行を
強制すれば、廃業に追い込まれる医療機関が続出する」と訴える。厚労省も「医療機関が減る事態は
避けたい」としており、猶予の延長や、請求を月2回にするなどの対応を検討している。
▽毎日新聞
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