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・パチンコ産業ではアニメやテレビドラマ、映画、芸能人などを用いた「版権パチンコ」が集客の
売りになっている。業界推計では年間100機種以上の新型機の8割は版権モノ。三洋物産の
独自作「海物語」を除き、版権モノに人気が集中しているのが現状だ。
版権モノの登場は90年代後半と、比較的歴史が浅い。液晶画面が搭載されたことにより映像
コンテンツが求められるようになり、「北斗の拳」のパチスロ機が累計60万台の大ヒットとなり、
ブレークの火付け役となった。続いて04年のフィールズが投入したパチンコ機「エヴァンゲリオン」が
12.5万台を記録した。
このブームで潤ったのはメーカーやホールだけではなく、版権保有者たち。既にアニメ放映が
終了していた「エヴァンゲリオン」はパチンコ化を機に新規のファン層が拡大。DVD販売や
レンタルなどの関連ビジネスが潤った。「あしたのジョー」の版権を管理する講談社は「告知効果の
観点から戦略的に許諾した」と語る。
しかし、このブームもネタ枯れに直面している。有力なコンテンツは既に使用されつくし、パチンコ化に
抵抗が強い版権保有者も多い。「超人気アニメ『ドラゴンボール』は各社が打診したが、原作者の
鳥山明氏が首を縦に振らない」とあるメーカー幹部は語る。
版権許諾の争奪戦の結果使用料は高騰し、今は10億円以上と言われている。版権保有者には
おいしい収入源で「最近では過去人気作のリメイクや続編がパチンコと連動しているケースが多く、
製作委員会を立ち上げる際は最初からパチンコの許諾料収入を当てにしている」と広告代理店
幹部は語る。
パチンコ機の高機能化もあり、定価30万円だった大手メーカーの遊技機は、この3年で10万円近く
値上がりしている。ホールの経営を圧迫しており、コストを回収しようと投機性・射幸性の高い台を
導入しようとする動きもある。
このような版権料高騰への対策として、フィールズではテレビドラマ製作に出資し、自社の新機種
「清水の次郎長維新伝」と連動させた。
ただ、こうした自社コンテンツも思うほどの受注につながっていないようだ。(抜粋)
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