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辛いものを好まないという東京都練馬区のアルバイト男性(22)は「おすしは大好きだが、わさびを付けると味が変わってしまう。
小さいころから慣れた味がいいし、わさびがない方が魚そのものを味わえると思う」。男性はうどんや牛丼に唐辛子を使わず、
おでんも「からしをつけない方が、だしの味がよく分かる」が持論だ。
眠気覚ましや気分転換のためのミントガムも、強い刺激が苦手な人向けの製品が登場している。
キャドバリー・ジャパン(東京都)が昨年10月に発売した「クロレッツアイス ライト」はメントール成分を抑え、
「キツくないのが ちょうどいい」が宣伝コピー。刺激が強すぎるという声を受けて商品開発したという。
同社マーケティング本部の内山元春ブランドマネジャーは「クロレッツの発売25年で初めての要望といってよく、
時代とともに消費者の嗜好に変化が生じていることを実感した」と話す。
同社はマーケティング会社「味香り戦略研究所」(横浜市)と昨年9月、「刺激に対する嗜好性調査」を実施。
20~40代の男女計1236人に、購入頻度が高い第3のビールの銘柄やレトルトカレー商品を調査した。
苦みの強い第3のビールや辛いカレーを好む男性は、40代が23・8%に対し20代は17・5%。逆に、
あっさりしたマイルドな味を好む人は40代が39・3%、20代が45・6%に。女性もほぼ同様の傾向だった。
同研究所は「若い世代は従来より、味覚が未成熟な状態といえるかもしれない。ゲームやインターネットを
しながらの『ながら飲食』の傾向もあり、味への関心が薄らいでいるのではないか」と分析している。
味覚障害に詳しい冨田耳鼻咽喉(いんこう)科医院(練馬区)の冨田寛院長は「香辛料の辛さや刺激物は
痛覚や温度覚で感じ取るもので、甘さや苦さ、しょっぱさを感じる『味覚』とは異なる。辛いものが食べられなくても
味覚障害ではない」とし、「『マヨラー』(マヨネーズばかり料理にかけて食べる人)の味覚を調べたこともあるが
病気でなく、好みの問題だった。刺激物を避けたり、逆に辛いものばかり食べるなどの嗜好の偏りは、
子どものころからの食生活を反映していると思う」と話していた。(おわり)