10/02/05 09:49:19 7ViI/G8h0
拾ってきた。
URLリンク(sayer.lab.nig.ac.jp)
第12回 春秋戦国時代に欧州人?
生物学は普通、生きた生物を用いる。ところが、とっくの昔に死んでしまった生物の遺骸(がい)に、
ごく微量残るDNA(デオキシリボ核酸)を大量に増やせる技術、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)
によって、「古代DNA」の研究が一挙に花開いた。
古代人の骨や歯、絶滅動物の毛、こはくに包まれた昆虫などからDNAが採取され、詳しく分析され
た。米映画ジュラシックパークが、こうした研究からヒントを得て製作されたのをご存じの方も多いだ
ろう。もっとも、恐竜DNAの発見は現在のところ夢物語だ。
中国古代人のDNA研究からは、当時の人々のダイナミックな動きが浮かび上がった。
東京大学の植田信太郎さんと中国科学院遺伝研究所の王瀝さんらが調べたのは春秋戦国時代、斉の都
「臨シ(りんし)」があった山東半島の付け根あたりの遺跡の人骨から得た細胞内小器官ミトコンドリア
のDNA。私も研究にかかわった。
研究グループは約二千五百年前の春秋戦国時代中期と、それより約五百年新しい前漢末期、現在、同地
に住んでいる人々のDNAを比較した。
現在、臨シ跡に住む人々は日本や韓国など現代東アジアの集団と近かった。ユーラシア大陸の人類集団
は欧州と中央アジア、東アジアに大きく分かれ、DNAで類似性を見ると、中央アジアの集団が東アジア
と欧州の集団との中間に位置する。こうした全体状況を考えれば、この結果は、各集団がいる地理的な
位置と合っており、予想通りだった。