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>>1-3(の続き)
先月、神奈川県相模原市内の小学校で開かれた宇宙教室を見学した。的川泰宣JAXA技術参与が子どもに宇宙の魅力を語る会だ。
雨傘を入れるポリ袋を使ったロケット作りでは、「早くやりたい!」「翼の角度はどうする?」「投げ方で飛び方が違うね」と大はしゃぎ。
「子どもの発想は豊か。いろいろ自分で考えてくれる」と、的川さんはほおを緩めた。
この子どもたちが見せた好奇心こそ、科学技術の原点ではないか。
宇宙開発の人文・社会科学的側面からの研究を進める木下冨雄・京都大名誉教授(社会心理学)は、
「未知への好奇心は、人間の本質的なDNAといえる。好奇心が科学を生み、技術を育て、人類を進歩させてきた。
それに逆らえば、人類は衰亡への道を歩むだろう」と述べる。
はやぶさの目的は、小惑星の岩石をカプセルに入れて持ち帰ることだ。燃料効率のいいイオンエンジンは、今後の惑星探査の切り札になり、
太陽光による姿勢制御は、「宇宙ヨット」と呼ばれる新たな航行技術につながる。
だが、はやぶさが人々の心をつかんだのは、目に見える成果だけではなく、未知の世界に挑む姿があったからこそだ。
「未知への挑戦」か「具体的成果」か。科学技術予算が議論になる背景について、
木下名誉教授は「日本の国家戦略として、どのような道を歩むべきか決断されていないから」と指摘する。
仕分けの際も、多くの科学者が「政府が科学技術をどう位置づけようとしているのか見えない」と不安を訴えた。
科学技術政策が話題になっている今こそ、未知の領域に挑む投資を含めた日本の科学技術の青写真を、
国レベルの議論で描くことが必要なのではないか。
はやぶさの7年間の旅は、目には見えない科学技術の魅力を教えてくれた。
予定では、6月、カプセル分離後、オーストラリア上空で大気圏に突入し、本体は燃え尽きる。
その光跡を見て、日本の科学技術をどう育て、利用するかを考えるきっかけにしてほしい。(東京科学環境部)
記事引用元:毎日jp(2010年1月29日 0時02分配信)
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