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阪神・淡路大震災から15年の取材で街を歩くうち、傾いた電柱があちこちにあることに気が付いた。
意識して探し始めると、「こんなに傾いてて大丈夫?」と思えるものも。なぜ傾くのか。倒れないのか。
もしかして、あの朝の揺れのつめ跡なのか…。取材するうち、意外なことがわかった。
激震地の一つ神戸市東灘区住吉東町。住吉川と国道2号線が交わる位置にある東灘消防署の一角に、
ひっそりと震災慰霊碑が立つ。近くの歩道に、先端が1メートルほど傾いた電柱がある。
「この傾き、お気づきでした?」-そう通行人に水を向けると、「確かに危ないね」と不安そうに見上げた。
実際、同消防署にも「電柱が倒れそう」と通報が入ったこともあるという。
あの朝、神戸市内だけで約1万本の電柱が倒壊した。市街地全域に規則正しく立ち並ぶ電柱は、その傾きや
倒壊状況から地震の衝撃を調べる研究材料にもなった。その1本と、てっきり思った。
ところが、この電柱を管理する関西電力神戸営業所(神戸市中央区)によると、「1987年設置だが、傾きの原因は
調べていない。地震の影響かどうかも不明」だという。
傾いた電柱はほかにも東灘や三宮で、幾本も見つけた。兵庫県内で約80万本の電柱を管理する関電は、
震災時に倒壊した電柱をすべて取り換えたが、「現在、傾いたのがどれだけあるかは把握していない」そうだ。
電柱の点検は5年に1度。素材のコンクリートがひび割れたり、地面から電柱を引っ張る支線に異常があったりすれば
交換するが、傾きが原因で取り換えるのは年に1、2本ほどという。「傾き過ぎて倒れた例はない。安心してください」
だが、あまり気色のよいものではない。まっすぐ建てたはずの電柱がなぜ傾き、それでも「安心して」と言えるのか。
2以降に続く
ソース
神戸新聞 URLリンク(www.kobe-np.co.jp)