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弁護団の質問をはさみ、菅家さんは再び立ち上がった。「森川さんね、私は本当につらい思いをしました」
「立場を逆に考えてください。お願いします」と懇願するように、改めて謝罪を求めた。
森川氏は数秒間沈黙した後、消え入りそうな声で「先ほど申し上げた通りです」と答えた。
一方、検察側からの質問はなかった。次回2月12日の第6回公判で検察側が無罪を求刑し、
3月26日に判決が言い渡される予定。
◇「自白強要ない」…元検事主張
証人尋問で森川氏は当時の菅家さんを「おとなしく、強く言うと反論できない。おどおどした性格」とみていたと
明らかにする一方で「自白の強要はありません」と述べ、菅家さんの供述に任意性があったと主張した。
菅家さんが足利事件を否認したことは「罪をまぬがれるための虚偽供述」ととらえ、「信用性を検討するため、
証拠をぶつけて真意を確認しよう」と翌日の調べに臨んだと証言。「別の二つの女児殺害事件と記憶が混在していないか、
面倒くさくて同じ供述をしていないか、考えながら取り調べました」と語った。
DNA鑑定は「有力な証拠と思っていました」。弁護側から「DNA鑑定だけでは逮捕状を取れず、自白があって初めて
逮捕できると上司から聞いたか」と問われると「近いことは言われた記憶があります」と認めた。
菅家さんは92年12月7日に森川氏の取り調べを受けた際、足利事件を否認したが、森川氏はこの事実を
裁判所や弁護士に伝えず、論告でも約2週間後の「第6回公判で突然否認」と主張した。その理由を
「(必要と認められなかった」と釈明。弁護団に「(否認の様子を録音した)テープの中身を知っていれば、
裁判所の判断が変わった可能性がありますよね」と問われても「私はそう判断しませんでした」と答えた。
また、別件を不起訴としながら足利事件を厳しく追及した理由を弁護団に問われ「体験者でなければ
語れないような供述がいくつもありました。公判での自白も有力な証拠で、否認でも有罪と思った」と述べた。【安高晋】
(おわり)