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「親分の言うことは絶対ですから。白と言えば白、黒と言えば黒なんです」
逮捕された石川知裕衆院議員(36)は周囲に、小沢氏への忠誠心を隠そうともせず、そう
語っていた。尊敬する人物を尋ねられると、必ず「小沢一郎」の名前を挙げた。
早稲田大学で政治サークルに入り、在学中から書生として東京都世田谷区にある小沢氏
の自宅に住み込んでいた石川容疑者。この頃、「僕の1日は先生の犬の散歩から始まり
ます」と、故郷・北海道足寄町で小、中学生の時に通った学習塾の女性経営者(58)に、
うれしそうに話していた。
小沢氏には、15人前後の秘書がいるとされる。強固な主従関係から、秘書たちは「徒弟」と
も呼ばれる。石川容疑者も書生時代から、毎朝、門前や庭の掃除、洗車、小鳥の世話など
に汗を流した。掃除後にゴミが残っていたり、コピーの紙を両面使わずに1枚でも捨てたり
すると、小沢氏や先輩秘書から厳しくしかられた。運転手も務め、道を間違えると、後部座席
の小沢氏から席をけられることもあった。
辞めていく秘書も多かったが、石川容疑者は音を上げず、やがて、「小沢氏の信用を得た
秘書が担当する」と言われる経理関係を任されるようになった。2000年には、陸山会の
事務担当者に就任。前任は、小沢氏側近として知られる樋高剛・民主党副幹事長。後任は
石川容疑者とともに逮捕された池田光智容疑者(32)だった。
昨年10月7日、読売新聞記者が、今回の事件に発展した陸山会の土地購入問題について
尋ねると、それまでにこやかだった石川容疑者が、突然、顔色を変えた。
「ちょっと、ちょっと、まず、小沢事務所に連絡を取ってみますので。私の方でいい加減なこと
を言うと……」と、あわてて取材を打ち切った。
この部屋に東京地検特捜部の捜索が入り、石川容疑者が逮捕されたのは、その約3か月
後。石川容疑者の旧友は、「小沢氏への忠誠心が、順法意識をマヒさせてしまったのでは
ないか」と指摘した。(一部略)
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