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・ソウル中心部で昨年10月26日、一つの式典が盛大に開かれた。
明治の元勲・伊藤博文を朝鮮の独立運動家、安重根が中国ハルビン駅で暗殺した事件から
100年にあたる記念日だった。
事件は韓国では「義挙」とたたえられている。この式典が政府主催だったことをみても、安重根の
存在の大きさがわかる。鄭雲燦首相は式辞で「民族の魂の表象だ」と述べた。
伊藤博文暗殺を題材にした新作ミュージカル「英雄」が開幕し、大みそかまで上演された。
安重根は事件翌年の1910年3月に刑死する。5カ月後、日本は「大韓帝国」の国号を使っていた
朝鮮に条約を強いた。韓国併合条約である。
日露戦争に勝った日本は、この条約によって朝鮮半島を植民地にした。植民地支配は以後
35年間続く。それがもたらした朝鮮の人たちの苦痛と憎しみは、戦後の日韓関係の底流を形づくる。
韓国併合から1世紀。目の前の世界もアジアもいままったく異なる姿だ。歴史を顧みて、日韓関係の
重要性を思い起こすことがこれほど重要な時はない。
東西冷戦下の65年、日韓両国は米国の後押しもあって国交を結んだ。当初は自民党政権と
韓国の軍事独裁政権との黒い癒着も抱え込んだ時代だった。
今はどうか。国交正常化のころ年1万人だった日韓の往来は、日に1万人を優に超える。文化・芸術の
交流は深まり、経済のパイプも巨大だ。この現実に政治の関係が追いつかなければならない。
鳩山首相は8日、韓国の李明博大統領と日韓の新たな共同宣言を出す意向を明らかにした。
そこに豊かな理念と連帯の精神を盛り込みたい。
15年前、戦後50年の「村山首相談話」をはじめ、政府は過去への反省を語りはしたが、自民党や
歴代政権内にそれを否定する人々もいて、不信の目を向けられ、率直な意思疎通が妨げられる
こともしばしばだった。
鳩山首相は、日本が行った植民地支配とアジア侵略の歴史を直視し、それを踏まえ、いまや
大変化をとげるアジアの中で、日本が平和と繁栄に貢献する構想を語ってほしい。(>>2-10につづく)
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