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家族の介護と失業に同時に直面した中高年の「介護失業者」たちが、再就職の壁に突き当たっている。
親や配偶者の世話を1人で担うため、勤務時間に制約があり、バイトでしのがざるを得ないケースが
目立つ。介護が引き金となる貧困。二重の苦境にあえぐ人を支える安全網は見えてこない。
■認知症の母、残業できない
長野県千曲市の男性(46)は05年に仕事を辞めて以来、再就職先が見つからない。
認知症の母親(79)と2人暮らし。母がデイサービスから帰ってくる夕方5時ごろには
家にいなければならず、残業ができない。20社以上の面接を受け、落とされた。
そもそも仕事を辞めたのも介護が理由だった。母は火をつけっぱなしにして台所を黒こげにし、
自分が押し入れにしまったのに、「通帳がない」と涙ぐんだ。母をみながら工場で臨時職員として
働く生活に疲れ、抗うつ剤を処方してもらった時期もあった。
そんな時、勤務先から「より高度な作業についてほしい」と打診があった。責任の大きな仕事につけば
夕方に終わる保証はない。これまでも入院した母に付き添うために休むことがあり、
これ以上は迷惑をかけられない、と退職を決めた。
10月、朝食を食べ終わった母が言った。「勤めに行かねえんか」。思わず声を荒らげた。
「誰のおかげで仕事が決まらないと思ってんだ。ばかやろう」。母の言葉は認知症のせいだと
分かっているのに、感情をコントロールできない自分が怖くなった。
*+*+ asahi.com 2010/01/03[07:57:44] +*+*
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