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がん治療によって精子をつくる能力がなくなった後に子どもをつくる可能性を残すため、
治療前に患者の精子を採取し凍結保存しているのは、全国の大学病院とがんセンターの
うち27%にとどまるとの調査結果を、京都大泌尿器科が二十八日までにまとめた。
保存していない施設のほとんどは、凍結保存を手掛けている不妊治療の開業医などを
紹介していた。抗がん剤などで精子や卵子をつくる機能が損傷する場合があるが、将来、
結婚や子どもを持つことを見据え、精子や卵子の保存を考えるがん患者は増えていると
みられ、保存をしている医療施設などとの連携が重要になりそうだ。
昨年二月、全国の大学病院とがんセンター計百四施設の泌尿器科にアンケート、
大学病院七十九、がんセンター十一から回答があった。
自施設で凍結保存しているのは二十四の大学病院で、がんセンターはゼロ。ほかの施設は、
保存が必要と判断した患者がいたり相談があったりした場合は、保存をしている産婦人科医や、
ほかの病院の泌尿器科を紹介するなどと回答。紹介先は開業医が62%、大学病院や総合
病院が33%だった。
若年性精巣がんの患者に対し、抗がん剤治療前に凍結保存の説明を「ほぼ行っている」は
五十八施設、「患者によってはする」は二十二施設。「ほとんどしない」「しない」は九施設で、
いずれも保存をしていない施設だった。
日本産科婦人科学会は、本人が死亡した場合は凍結精子を廃棄すると定めているが、
保存している二十四施設のうち「破棄する」は十五施設で、五施設は「親族の許可がある
までは保存」。四施設は「その他」だった。
調査した西山博之准教授は「がん治療の専門施設などで、設備や技術、人員、コスト面で
長期保存できる態勢が整っていないことが背景にあるとみられる」と指摘している。
東京新聞 2009年12月28日 夕刊
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