09/12/19 18:01:21 0
漁業者から「見かけないウニがいる」との連絡を受け、センターが初めて確認したのは約9年前。
磯は海藻が食べ尽くされ、岩とウニだけになっていた。その後も大量発生している場所は増加傾向にある。
海藻がよく育つ冬から春先にかけて一時的に回復したこともあるが基本的には藻場が育たない状態が続いている。
この影響で同じように海藻を食べて育つアワビやサザエが激減した。
特に顕著な大島では資源を守る目的で毎年一定量しか採取しないため、
漁獲高は10年前と変わらないが、アワビやサザエの数は確実に減っているという。
アワビやサザエは、ウニに比べてダメージを受けやすいためだが、ウニも食用となる部分がほとんどなく、やせている。
原因は不明だが、センターは「気候変動による海水温の上昇など生態系のバランスに
何らかの変化が起きているからでは」と推測する。これまでの調査で、多いところで
1平方メートル当たり5個生息しているウニが3個以下になると、藻場が回復したケースがあった。
漁業振興の調査研究を行うセンターの浜田弘之・浅海増殖課長(47)は「対症療法を徹底するしかない」としており、
大量発生したウニは海中でつぶしたり、陸に揚げたりして除去するよう沿岸の漁業者に呼びかけている。
糸島漁協姫島支所は2007年から除去に取り組み、今年は7、11月に計3回実施した。
吉村満支所長(49)は「ウニは岩がつるつるになるまで海藻を食べ尽くす厄介者。
仕事を休んででも地道に除去するしかない」と話している。(脇田隆嗣) (おわり)