09/12/18 09:11:11 0
・刑が軽くなるといいと思った-。
名古屋地裁で開かれた少年(19)による連続強姦事件の裁判員裁判。判決後、2人の女性裁判員が
漏らした感想に、裁判員裁判の危うさを感じた。事件の受け止め方に個人差があり、それが判決に影響
されかねない裁判員制度の下では、特に性犯罪の場合、被害者が無用に傷つくこともあるのではないか。
07年~09年、名古屋市内で保護観察中の少年が当時17~26歳の女性4人をカッターで脅して
強姦したなどとして起訴された。被害者自身の証言はなく、調書の朗読も強姦の場面は裁判員に黙読を
促すなど、被害者に配慮した形で進められた。
男女3人ずつの裁判員は大半が中年だった。私は「女性裁判員の方が性犯罪への処罰感情は厳しいに
違いない。男性裁判員は少年の監督を約束した父親に共感するのでは」と感じていた。だが、記者会見での
質問に、裁判員からは予想を裏切る言葉が返ってきた。
女性裁判員2人は「女性としては許せないが、(男の子を持つ)親としては刑を少しでも軽くしてあげたいと
思った」「(少年に)同情はしないが、親の気持ちを考えると正直、刑が少しでも軽くなるといいと思った」と
感想を述べた。「目を覆いたくなった」「女性だから負う心の傷だ」と語ったのは男性裁判員だった。
一般市民で構成される裁判員は誰もが公平な目や耳を持って
いるわけではない。裁判を理解するために、感情移入してしまうこともある。女性裁判員の
2人は、女性としてではなく、母親としての目線で裁判に臨んでいたのだろう。
私自身、被害女性の1人と同い年であることから、無意識のうちに被害者に近い立ち位置で
傍聴していたように思う。
性犯罪で傷つくのは体だけではない。女性としての誇りや自身が負った目に見えない傷は一生消えない。
「被害に遭ったことは親にも言えない」と泣き寝入りする女性もいる。性犯罪の被害を訴える勇気を持てずに
いる女性たちは、今回の裁判員の感想をどう受け止めただろうか。【中村かさね】(抜粋)
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