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・「ちょっとナメてましたね。絶対、就職できると思ってました」
一橋大経済学部4年の小峰礼子さん(22)=仮名=は自身の就職活動をこう振り返る。
3年生の10月から本格化する大学生の就職活動。「次の次の春」に向け、企業の就職情報サイトが
オープンし、就職セミナーや合同企業説明会が始まる。
小峰さんの手帳はこの時期、毎日、2~3社の説明会の予定で埋まっていた。「やる気も満々」だった。
大手企業の採用が本格化する4月。銀行や生命保険などの金融を中心に15社を受けた。結果は「全滅」。
「形のない商品をお客さまに提供する金融では社員こそが命。自分もその一人になりたい…」
ある銀行の面接。志望動機を聞かれ、そう答えると面接官の顔がみるみるゆがんでいった。
「あまりに何も考えていない言葉に面接官があきれたんだと思う」
5月に入ると、周囲には内定獲得者が増え、焦りはピークに。その後、10社ほど受けたがやはり「全滅」。
サークルの友人らが卒業旅行の計画を立て始めたのが恨めしかった。
「自分は社会に必要とされない人間なんだ…」。限界を感じ、就職留年を決めた。
「自分が何をしたいのかということよりも会社のネームバリューが大事だった。面接官にそれが見透かされていた」
今は生い立ちをまとめた「自分史」をつくっている最中。就職活動に役立てると同時に、「これまで挫折もなく、
たいした努力もしないでそこそこの人生を歩んできた」という自分を見つめ直す意味もある。
この師走。3年生に交じり「次の次の春」に向けた就職活動に奔走している。
◇
東北大大学院2年の塩川裕也さん(25)=同=も10月から真新しいスーツに身を包む大学3年生に交じり
就職活動を再開させた。前年度はゲーム関連の大手を中心に約30社受けたが、内定にはこぎ着けられ
なかった。
「悲しいと言うよりむなしい。学歴社会なんて、誰が言ったのか…」(>>2-10につづく)
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