09/12/13 15:45:16 0
>>1つづき
日程の確定が遅くなったとはいえ、習氏の来日自体は、以前から両国間
で調整されていた。日中関係が重要だというなら、もっと早く手を打つことも
できたはずだ。
1カ月ルールに従い、外務省はいったんは会見見送りを受け入れた。
ここに来て首相官邸が自ら乗り出して巻き返した背景には、中国政府の
働きかけを受けた民主党側の意向が働いたと見るべきだろう。小沢一郎幹
事長が同党の国会議員140人余を引き連れて訪中した時期と重なったこ
とも、そうした観測を強める結果になった。
首相の姿勢は、このルールに込められた原則を軽んじたものと言わざるを得ない。
首相はしゃくし定規にルールを適用するのは国際親善の目的にかなわな
いと語った。今後、他の国から同様の要請があった場合、どうするのだろう
か。1カ月ルールを維持するのか、どんな場合に例外を認めるのか。
鳩山政権では、岡田克也外相が国会開会式での天皇陛下の「お言葉」に
ついて、「陛下の思いが少しは入るよう工夫できないか」と発言し、波紋を広
げたこともあった。
歴史的な政権交代があった。鳩山政権にも民主党にも不慣れはあろうが、
天皇の権能についての憲法の規定を軽んじてはいけない。この大原則は、
政治主導だからといって、安易に扱われるべきではない。今回の件を、
悪(あ)しき先例にしてはいけない。