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「危ない!」。車が接近してきて、母親が男の子を抱き寄せた。男の子はびっくりして「えっ、お母さん、
だってボク、車にひかれても死なんでしょ?」と、けげんな顔。ある幼稚園では、一人の園児が
「朝ごはんはないよ。だってお母さんがダイエット中だもん」と、けろり。いずれも実際にあった話です。
広い校庭の隅っこに数人座って、ゲームに夢中の小学生。やっているゲームのひとつは
「サザエさん一家虐殺ゲーム」。「夜中の三時すぎまで、親に知られないよう布団をかぶって
ケータイメールしてた!」と、寝不足の中学生もいます。彼らの多くは、いつもハンバーグばっかりの「固食」や、
テレビを見ながら会話のない「個食」が日常。こうした、子どもたちを取り巻く「メディア漬け」の話はつきません。
外に出ると交通事故や不審者が心配だから、子どもが家の中でメディア漬けでも
「その方が安心安全」という人がいます。では子どもの身体や脳は安全でしょうか。
テレビやビデオ、ゲーム、パソコンゲーム、ケータイで1日4~6時間も費やす子どもたちがいます。
画面上で何万人もの殺人と命のよみがえり体験を繰り返し、正しい死生観を獲得することさえ
難しくなってきた今日のゲーム社会。そしてなによりゲームで脳の前頭前野が不活発になり、
それにより「キレやすい脳」になると、多くの脳科学者が警鐘を鳴らしています。
メディア漬けの生活は、子どもたちがことばを獲得する大切な時期に家族との会話や、ホルモン分泌の
要である睡眠リズムの獲得を奪っています。真の友情をはぐくむべき時期にケータイメールに夢中の中学生。
しかし、ケータイの伝達力は13%にすぎず、感情は伝わらないといわれています。そして目と目を合わすことが
できない子どもや、自分の考えや気持ちを直接相手に言葉で伝えられない子どもたちが増えてきました。
山陰中央新報 島根の子どもとメディアを考える会代表 伊藤紀子
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