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福井県福井市のフリースクールに通う川端正人さん（１８）が、
国家資格の危険物取扱者試験で乙種１～６類すべてに合格した。
中学校の時に不登校になって高校進学をあきらめ、フリースクールで資格取得の勉強を重ねた。
川端さんは「周囲の支援で合格できた。自分に自信が持てるようになった」と話している。
消防試験研究センター県支部によると、高校生の全類合格者は県内で毎年１００人前後いるが、
大部分は工業系高校でフリースクールの生徒の合格は初めてという。
川端さんは、中学２年のころからいじめに遭って学校を休みがちになり、不登校となった。
「高校に進学しても、またいじめに遭うのでは」という不安から高校進学をあきらめ、
フリースクール「ウィル・ビー」高等学院に入学した。
将来の就職に不安を抱えていた川端さんは入学から半年後、
教員の勧めもあって危険物取扱者の資格挑戦を決めた。同校の授業に加え、
放課後には教員から直接指導を受けながら勉強に励んだ。
昨年２月、初めて挑戦した乙種４類は不合格だったが、６月の再挑戦で見事に合格した。
川端さんは「４類の合格で自分に自信が持てるようになった」と振り返る。
４類の合格を励みに、ほかの類にも挑戦。今年１０月には最後の６類合格を果たし、全類を制覇した。
「一人で勉強していたのでは続けられなかったかもしれない。
先生や友達の応援があったから最後までやり遂げられた」と周囲の支えに感謝を表した。
取得した資格を生かし昨年９月からは、ガソリンスタンドで人生初めてのアルバイトを始めた。
ウィル・ビーの竹内隆一代表は
「入学当初はほとんど人と話さなかったが、自信を持ち本来の明るい性格が表れてきた」
と目を細める。
川端さんは来春、石川県の短大に進学し、臨床工学技士を目指す。
「いじめで他人と接するのが怖かった。心を閉ざしていたが、合格で自信がついて世界が広がった。
短大でさらに夢に挑戦したい」と意気込みを話していた。
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