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★地球温暖化データにねつ造疑惑(09/11/26)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が採用した、人為的な地球温暖化の有力な証拠とされる
データにねつ造の疑いがあることが分かり、先週末から欧米主要メディアの報道が相次いでいる。
かつてのウォーターゲート事件をもじった「クライメートゲート(Climategate)」という言葉も作られた。
来月デンマークのコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に影響が及ぶ可能性がある。
疑惑の舞台となったのは、国際的な温暖化研究の拠点のひとつである英イーストアングリア大学。
何者かが気候研究ユニット(CRU)のコンピューターに侵入し、1996年から最近までCRUが外部とやり取りした
1000通以上の電子メールをハッキングして匿名サーバーに置いた。さらに、温暖化懐疑派のブログなどに
その存在を知らせ、メールの内容が明るみに出た。
そこで注目されたのが有名な「ホッケースティック曲線」だ。過去 1000年間にほぼ横ばいだった気温が、
温室効果ガスの排出が増えた20世紀後半に急上昇したことを示す。IPCC報告書でもたびたび引用されたが、
あいまいなデータ処理が以前から問題視されていた。メールの中で、フィル・ジョーンズCRU所長は1960年代
からの気温下降を隠すことで、80年代からの上昇を誇張するデータのtrick(ごまかし)があったことを示唆している。
ジョーンズ所長らは流出した電子メールが本物であることを認めたうえで、疑惑について24日に声明を発表。
「trickとは新データの追加を意味する言葉で、ごまかしではない」などと釈明している。
さらにメールでは、2001年にまとめられたIPCC第3次報告書の代表執筆者のひとりだったジョーンズ所長が、
懐疑派の学者に対して「報告書に論文を掲載しない」「論文誌の編集からはずす」「CRUのデータにアクセスさせない」
といった圧力を加えたことがつづられている。
欧米には懐疑派のウェブサイトやブログが多数あり、クライメートゲートについて盛んに議論されている。
メール流出はハッキングでなく、目前のCOP15を揺さぶることを目的にした内部告発者のしわざではないか
との見方も出ている。
COP15は京都議定書に代わる温室効果ガス削減の国際合意の形成が目標だが、先進国と途上国との対立は根強い。
横浜国立大学の伊藤公紀教授は「IPCCが科学的な知見をゆがめたという不信感が広まれば、交渉はさらに難航する
恐れがある」と指摘している。
この問題については、江守正多・国立環境研究所温暖化リスク評価研究室長が、明日27日付けの連載コラム
「温暖化科学の虚実 研究の現場から『斬る』!」で詳しく解説します。
[2009年11月26日/Ecolomy]
URLリンク(eco.nikkei.co.jp)
過去1000年の気温変動の虚実(09/11/27) 詳細はこちらへ
URLリンク(eco.nikkei.co.jp)
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